シニア劇団波瀾ばんばん座の「がめつい奴」公演が終演した。
今回は僕自身に余裕がなく、あまり宣伝できなかったのが心残りだが、評判はいいようで一安心。
ぼくは演出者として当然自分が面白いと思って創る。芝居のテンポや感動ツボも勝手に決める。ところが公演には特殊事情がある。シニア劇団の観客には当然高齢者が多い。僕がいいと思ったテンポでは早すぎて追っていけないという感想も出る。高齢ゆえに口角筋が緩んだ役者もいる訳で言葉もはっきりしないとなると、余計「何を言ってるかわからん」という苦情につながる。
今回は役者にテンポを強調した。「どんなに早くしゃべっても観客には早すぎるということはない」という訳だ。芝居もよくなったし、俳優も回らぬ口で必死についてきた。ずいぶん口角筋の訓練になったはずだ。しかしその結果を観客の多数を占める高齢者の満足につながらないとすれば考え直さざるを得ない。観客あっての芝居だからだ。
実はチャレンジド・ミュージカルをやっていて、この問題はあまり考えたことがなかった。「どういう観客に見てもらいたいのか?感じてもらいたいのか?」と絞り込んで考えることは結構大事なことかもしれない。
それともう一つの再発見。笑いに力みは禁物である。人生は軽妙酒脱でありたい。
さあ、ひと段落ついた。夏の市民ミュージカルの台本執筆に集中する。
2016年02月28日
誰に観てもらいたいのか?
posted by ヨッシー at 11:30| Comment(0)
| 波瀾ばんばん座
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