2016年10月21日

シリーズ5 拘禁ノイローゼ

術後1週間目から始まったリハビリ、これがなかなか大変だったのです。
 ギブスを外し、抜糸も済んだ右足は、左足の倍近くに膨れ上がっております。というより、何でもなかった左足があまりにも細くなってしまったのに愕然。筋肉は使わなければ本当に細く細くなってしまうのですね。脳もそうなのでしょう。みなさん、筋肉や脳はどんどん使いましょう。
 左足1本では立てません。そこからのリハビリです。180度折れ曲がるはずの膝が、周辺の筋肉がすっかり固まってしまって15度と曲がらない。無理に折ろうとすると悲鳴を上げるばかりの痛さが走る。
 たった1時間ばかりのリハビリタイムは結構体力を消耗します。痛みに耐えるというだけで、相当なエネルギーを消費しているのでしょうね。ほかに何もしてないのに夜はぐっすり眠れます。
 そんな状態で10日ばかりを過ごしたある日の夜、突然何もかも嫌になってしまいました。くだらないテレビも、積み重ねた本も、構想し始めた台本も、何もかもやる気がなくなって、喚き立てたくなりました。おそらく拘禁ノイローゼの軽い症状が出たのでしょう。人は何の変化も起きない生活には耐えられなく出来ているのです。生きていくこと自体が変化なのですから、当然でしょう。ベッドから起き上がって一人で体操とリハビリを始めました。曲がらなかった膝に変化を見つけました。それだけで気分は安らぎます。
 そう、人の一生はまさに旅なのですね。一瞬一瞬の変化と遭遇しながら、終わりへの旅を続けていくのですね。「代わり映えのない暮らし」とか「なんの変化も成長もない毎日」なんてのはないのです。状況はどんどん変わっていく。それをつなげて成長へと導くのは、私たち自身の責任です。
posted by ヨッシー at 12:28| Comment(0) | 個人的分野
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