2016年10月29日

シリーズ7  孤独の闇

病院での個室生活1ヶ月。いろんな方が見舞いに来てくれてますが、それでも本質は世間から孤絶された空間。
 妙なことに気づきました。72歳の元自衛官の自爆テロの事件報道をテレビで見ていて、男が一途に暴挙へと突っ走っていった経緯がすごく理解できるのです。
 キーポイントは孤独。“穴倉の思考”とでも言うか、孤独な老人が一方通行の思考を積み重ねて、ついに絶望的境地に到達する過程が、今の僕には妙にくっきりと見えてきます。
 ぼくにしても、いつもだったら稽古したり飲んだり喋ったり、いろんな人たちと忙しく接している毎日だったのが、病院の個室で寂しい時を過ごしている今は孤独に敏感になっているのかもしれませんが、自爆犯の彼もSNSで心情を発信していたらしいけど、誰も反応してくれなかったとしたら、むしろ孤独は一層深まっていくでしょう。
 彼の日常生活の周囲にどんな人間関係を築いていたかが気になります。彼にもそういう人間関係はあったのかもしれないし、そういう薄い関係では収まらなかった暴発だったかもしれません。それに、この年代の男がそう簡単に本音をさらけ出すとは思えませんから、根拠は薄弱ですが、それでも彼の周囲にちょっとした愚痴にも反応してくれる共感的人間関係といったものがあったら、どこかでブレーキがかかったのではないでしょうか。
 “孤独”は創造の原点です。一人静かに考える時間が大切なことは言うまでもありませんが、自分や家族以外に、職場や学校や地域や趣味の世界などに、もうひとつの人間関係を築いていくことがやっぱり大事なんだと思います。
 市川という町で僕が、そして僕の友人たちが築いている人間関係があれば、こんなにも悲惨な孤独の闇を生み出さずに済んだものをと悔やまれます。
posted by ヨッシー at 07:27| Comment(0) | 個人的分野
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