市民俳優を募集中です。
来年は、昭和21年に市川に移ってきて、34年に81歳でなくなるまで、13年間を市川の住民として過ごした文豪永井荷風の生誕130年、没後50年の記念の年になります。4月30日が50回忌です。
市川市では文学プラザを中心に、市川市民と共催して、「市川の永井荷風」上演委員会を結成して、記念の演劇公演を6月中旬、会場はグリーンスタジオで開催することになりました。
演題は「荷風幻像〜老愁は葉の如く〜」。作・演出は吉原廣。1月から稽古を始めて、4ステージを公演します。
登場人物は22名。劇団七福神の俳優を中心に広く市内外の市民俳優を公募して、本格的な演劇公演となります。本格的な舞台に挑戦したいと思う方はぜひ挑戦してみてください。一応、12月23日にオーディションを行います。
永井荷風の小説を読んだことがありますか? 50年前になくなった方ですから、若い方はまず経験ないと思いますが、今時の文章とちがって、漢字の多い、黙読するよりもむしろ声に出して読んでいった方がいい、朗読しているとしみじみと日本語の豊かな表現を味わうことのできる、そんな小説の数々です。
代表作には、昭和10年代の娼婦街玉の井に生きる女お雪との交情を描いた「濹東綺譚」や40年にわたって書き綴った日記「断腸亭日乗」などが有名です。
荷風はまた、女を描くことで、一世を風靡した小説家です。「四畳半襖の裏張り」に代表されるように、猥褻か否かで社会を賑わせた春本の書き手でもありました。実際の生活でも、千人を越える女性たちと交わりを楽しんだ男でもあります。
今回のドラマでは、三度の空襲から逃げ惑って腑抜けの状態となって、67歳で市川に流れ着いた荷風、市川の周辺をくまなく歩きまわった荷風、しばらくして浅草のストリップ街を毎日毎晩訪ね歩いた荷風、といった道筋を振り返りながら、「表現者としての老後の孤独と執着」をテーマに、荷風の人間性を検証してみようと思います。
舞台には、ストリッパーや当時パンパンと呼ばれた街娼婦など、たくさんの若い女優さんを必要とします。もちろんおじさんやおばさんも必要です。2時間を濃密な人間交情の空間で埋めたいと思います。勇気ある市民の参加を待っています。
というわけで、今回の舞台は15Rです。しばし大人だけがわかる世界を楽しもうではありませんか。
2008年11月28日
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