本格的な稽古開始2日目は、みんなで輪になって「台本読み合わせ」を行いました。
小さな子どもたちも、思いがけずひょいと「役を読め」と言われて、びっくりしてました。感心なことが二つ。一つは、休みを含んで3時間近く、子どもたちが熱心に台本を見、声に聞き入っていたこと。読めない字や難しい表現もあって、かなりしんどい時間だったろうに、良く我慢してくれました。それと、子どもたちが役を与えられた時に、そっと寄添ってサポートする人がいたこと。僕は考えていなかったことで、自然にそういうサポートができる体制になっていることに、市民ミュージカル公演の経験が蓄積されていると感じました。
台本の世界を説明するのに、時間はいくらでもかかります。いい足りなかった所は、これからの稽古で、各場面ごとにまず表現すべき方向性を必ず確認して、稽古に入るようにしていきましょう。
ところで、皆さんは台本をどう読み取られたでしょうか?
まず面白いと思ったか、面白くないと思ったか? 気になるところです。
そして2幕の、親と子どもたちの思いをぶつけ合うシーン。ぼくが日本の子どもたちの現実をどうも否定的に描きすぎたかなと不安がよぎったのは、目の前にいる子どもたちが熱心に稽古に打ち込む姿を見せつけられたからです。「そう否定したものでもないぞ」と思ってしまいました。
そして実際稽古場にいる親たちはどう思っているんでしょう? 自分の子どもに対して、普段はどう向き合っているのでしょう?
一般的には、日本の子どもたちが良く口にする言葉は台本が書いている通りです。「何もしたくない」「ボケーとしたい」「寝たい」という逃避的な思いです。そこを超えて、もっと楽しく、思い切り生を面白がって生きてほしいと願うし、親たちにもぜひ「子どもにも人間としての権利がある」ことを理解してほしいと願っているのですが、そしてその思いがこのミュージカルのテーマでもあるのですが、そこへの本音の共感が得られるものか、正直不安があります。
稽古場で、どんどん話し合いを進めていきましょう。大人と子どもが、「どういう関係を作っていくか」という話し合いを深めていければ、この公演は成功します。形ばかりでなく、舞台の最後で、心の底から「世界中の子どもたちを愛で包もう!」と主張できたら嬉しいなあ!
2008年05月27日
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