21日夜、赤坂ACTシアターで、南アフリカミュージカルの「ウモジャ!」を見てきました。
ほとばしるエネルギー、疲れを知らぬ身体能力、緻密な表現力、五体がバラバラになるかと思える動き、膨大な練習量、アフリカの風を思わせるハーモニー、大地の鳴動を感じさせるリズム、セクシャルな歌声・・・何もかも圧倒的な迫力で迫ってきました。完全な脱帽です。
ウモジャとは「心を一つに」という意味。南アフリカの黒人たちの植民地以前の素朴な生活から1948年のアパルトヘイト政策と最近の撤廃までの民族の歴史を通して、音楽とダンスがどう変遷して行ったかをテーマにしているのですが、うらやましいのは、生活の中にしっかりと表現する喜びと悲しみが息づいていること。言わば、芸術世界が人生の中心にあるという生活。
どうしても私たち日本の生活・・・物資的に恵まれつつ人間としての喜びや悲しみや激情を失いかけている現実を比べてしまいます。もうまるで生命力が違っているのです。人間の幸せとは一体どういう状態を言うのでしょうか?
最後に客席に降りてきて観客とハイタッチしたのですが、2時間以上次々と激しく歌って踊って、顔にも手のひらにもうっすらと汗を浮かばせているというだけの彼らの体力には、本当にびっくりさせられました。
今やっているチャレンジド・ミュージカルでもアフリカのリズムと歌声に挑戦しています。障がいのある子どもたちにその生命力の豊かさを少しでも感じてもらいたいと欲張っていますが、そんなこと以上に、人間の毎日の暮らしの中に、躍動するエネルギーや生命力がみなぎる時間が満ち満ちているという、そんな喜びにあふれた生活を取り戻したいと、ほんとにうらやましげに思わざるを得ませんでした。
狩猟民族のあのような激情的なエネルギーの発散はなくても、農耕民族の日本人だって、昔はそれなりのエネルギーに満ちた世界があったはずなのにね。
2009年09月23日
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