チャレンジド・ミュージカルで傷害のある子どもたちと付き合いだして5年目。
障がいのなんたるかも知らないで始めたミュージカルですが、未だに深く落ち込んだりしています。
「この程度ならついてこれるだろう」と軽く見積もった稽古課題でも、実際にやってみると混沌とした事態に陥っていきます。計算どおりに行かない(計算がただ甘かっただけのことですが)事態にいらだって、言葉もつい大声で荒げてしまいます。そして、結局強引に形をつけていこうとします。ふと気づくと、肝心の子どもたちは面白くなさそうに沈み込んでいます。ああ俺は何をやっているのだ!と落ち込みます。
「これくらいのことならできる」と人は思うでしょうが、それができない子もいるのです。その当たり前のことに今さらながら気づくのです。子どもたちの中にどんどん入り込んで、一緒になって面白がろう、楽しもうとしているはずなのに、できないという現実ばかりに目が行って、一緒に面白がっていない自分に気づくとき、やぱり僕も落ち込みます。相手にする資格はないとも思い込みます。
昔はこういう時、すぐ差別意識という概念を突きつけられて、関わろうとする人間の心をなえさせたものですが、子どもたちの現実をわかっていないということの重みはやはり強烈です。
もっともっと一人一人を大事に、一つ一つを大事に、ゆっくりと稽古という時間を楽しみながら創造していかなければチャレンジド・ミュージカルの意味はありません。そう反省しつつ、やっぱり同じ過ちを繰り返しています。でも後1月。がんばるぞ!
2009年10月05日
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