2010年02月12日

死んだ男の残したものは・・・

2月10日夜、いちぶんネットの前副代表深川明俊氏の一周忌の集まりがありました。集まったのは市川市内を中心に身近に彼と関わった役人や議員、市民活動家、ジャーナリストなど各界の11人。いい集まりでした。

深川氏を覚えていますか? いつも釣り用のチョッキとジーパン姿、歯の抜けた口からポンポン辛らつな言葉を吐き出して特に女性たちの顰蹙を買っていた男です。僕と知り合ったのは59歳で亡くなる前の約8年ほどです。

彼は以前音楽界のマネージャーとして名を成していました。森山良子やオフコースなどのプロデュースをしていたそうです。その後その一切を投げ出して、深夜警備の仕事をしながら、ボーイスカウト活動に関わり子どもと環境への関心を深めていきました。屋久島やレイチェル・カーソンを僕に教えてくれたのは彼です。晩年は酒のせいで身体も壊し離婚や生活苦もあって、かなり寂しい状態で過ごしていました。

僕と同年です。男同士ということもあり、過去などお互いに穿鑿しないで、互いに芸能界にいた者どうし、アウンの呼吸で協力し合っていました。
彼には人生の転機となる大きな悲劇がありました。当時4歳だった一人息子をある事件で亡くしているのです。その詳細を始めて知りました。それを契機にそれまでの芸能界から引退して市民活動に打ち込みだしたのです。

その夜、それぞれが付き合った深川氏の人間像をつなぎ合わせて全体像が見えてきました。彼の深い悲しみを知りました。そして何とか新しい人生基盤を立て直そうと戦っていた姿を知りました。
♪死んだ男の 残したものは・・・という歌が甦ります。財産もなく、音楽マネージャーや市民活動家として活躍した業績もいずれ忘れられていくでしょう。でも彼は、その夜集まった11人を深い共感の絆で結び合わせてくれました。子どもを愛し環境破壊の危機を熱く訴えた彼の精神は、それぞれの断面で関わってきた人間の新しい絆を産み出したといえるでしょう。それこそが遺産です。その遺産を育てていこうと思います。合掌。
posted by ヨッシー at 19:02| Comment(0) | 未分類
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