日曜日、コルトンプラザで青年会議所主催のダンス披露会。チャレンジド・ダンスチームも出るとあって見に行きました。
流行のヒップホップばかりが、それも結構上手な子どもたちの演技が続いて、「チャレンジドの連中が気後れしなければいいな」と内心心配しながらその時をみていました。
観客の乗りは一番だったのじゃないかな。ワークショップで積み重ねたダンスをそのまま勝負に出て、観客の拍手をかっさらってしまいました。
あの子たちにだって気後れしたり緊張したりはあるだろうに、堂々と居直ってあるがままの力で勝負して成果を出す。ほんとに頭が下がる態度です。脱帽です。彼らと出会えた喜びを改めて噛みしめました。
その夜のテレビニュースで井上ひさし氏の逝去を知りました。なんと大きな輝きが失われたことでしょう。
氏の戯曲が好きで、僕の演出暦の中でも一番多く演出した劇作家でもありました。言葉への絶対的な信頼の上にそれをさまざまに駆使して、そしてどんなに悲しく残虐な世界にあっても残る1%のヒューマニズム的意志を諦めるなと思い知らせてくれる作家でした。会議の場でしか会ったことはありませんが、もうあの世界は新しく生まれてきません。
「自由の中でも表現の自由こそが一番の根本だ」と彼は言います。そして権力やそれに追従する連中と対抗する人間性の意地を描き、また社会的政治的にもそう主張してきました。誠に残念です。
それにしても、死がなんと身近になったことでしょう。井上流に言えば、フワフワ30、キョロキョロ40、ウカウカ50、オロオロ60・・・あっという間に過ぎてしまう人生、その中で何ほどの生きてきた証しを私は残せるのか、世間にではなく自分自身の中に。また一つ巨星消える・・・この寂しさは歳を取ったものにしかわからぬ感情なのでしょうか。
2010年04月14日
巨匠逝く
posted by ヨッシー at 01:52| Comment(1)
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こまつ座のお芝居は大好きでした。音楽もよかった。セリフもよかった。見終わったあと、「人間ていいなー」「人生ってまんざらでもないなー」と元気がでました。
講演会のはなし言葉も、そのまま本にもなるようにおもしろかった!
もうであえないかと思うと悲しいです。