2010年05月04日

緊張の配役選考

世はまさにゴールデンタイムだというのに、シネマ・ミュージカルでは、連日配役のためのオーディションが続いています。

配役を決めるのは本当に難しいものです。ひとりの人間の中にどんな可能性が秘められているか、ちょっと見ただけでわかる訳がありません。これまでも何度も選考を繰り返して、結局配役に失敗したという後悔も数知れずあります。

贅沢を許される創造団体では、一つの役を何人かで稽古を続けながら競わせて、最終段階でメインとサブを決定するという厳しいやり方をしているところもあるくらいです。

オーディション会場に入ってくる皆さんの緊張振りも相当なものでした。今回の台詞は難しく、家で稽古してきた実績が明らかに露見してしまいました。そして驚くべきことに、ほとんどの方が何度も稽古を重ねた様子が見られて感心しました。そういう意味では年々意識が高まっているようです。どこかたどたどしい日本語で、一生懸命演じている女性がいました。中国の方でした。慣れぬ日本語の、それも相当に難しい言葉と格闘する姿は感動的でもありました。

市民ミュージカルでは、できるだけ多くの方に役を演じていただこうと、台本創作の段階でさまざまに工夫を強いられます。時にはそれが舞台を冗漫にさせてしまう危険もあるのですが、その創作法をやめようとは思いません。なるべく多くの方に、舞台の上で注目される瞬間を味わってもらいたいためです。

来週からは台本を読み合わせながら、最終選考を行います。最後に喜ぶ人、悔しがる人、不満顔な人に分かれる時です。こちらとしてもつらい選択をしなければならないのですが、それも仕事です。結果をまちがえないようにだけはしたいものです。

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