「それからのブンとフン」、昨日キャスティングが決まりました。
今回は出演者にどの役をやりたいかの希望を取ったので期待が膨らんでいたのでしょう、希望する役も集中したこともあって、配役発表後にがっくりした方も多かったようです。キャスティングはどういう芝居にしたいかを表示する演出行為です。役者の希望に添って進める作業ではない。申し訳ない、希望などかえって聞かねばよかったのかもしれません。
とはいえ、役者は与えられた役を愛していただくしかありません。作者や演出が思いもよらなかった人物像を創り出して、小さな役でも大きく膨らませて、自分の存在をアピールして頂きたいのです。
ところで、なでしこジャパンの活躍が大騒ぎになっています。女子サッカー人口1400万人のアメリカに対して数十万人の日本チームが、「震災復興のために頑張ろう!」の精神主義で打ち勝ったのですから、まるでかつての真珠湾攻撃の時のような雰囲気になってしまっています。
それにしても人間はやっぱり1番とか勝つとかにこだわってしまう動物なのですね。僕自身も「すごいなあ!」と感動してしまっています。
この競争心が配役を決める際のプレッシャーになってきます。「残念だね。でも頑張って」というしかないんですけど。
ましてやチャレンジド・ミュージカルの稽古をしている場合など、1番とか勝つとかの競争原理とは別の価値観の大切さと出会ってしまいます。人間誰しも持っている競争心と「みんな一緒に」という共生心とをうまく両立させる方法はないものか? 結局「みんなでうまくなっていく」といういつもの考えに収まってしまうのですが、なんだかきれい事を言っているのでは?という不安も消えないのも事実です。競争心と共生心、人間は大きな矛盾をはらんだ生き物なんですね。
2011年07月19日
競争心と共生心
posted by ヨッシー at 22:54| Comment(0)
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