2011年08月10日

人生、ここにあり

残暑お見舞い申し上げます。
シネスイッチ銀座でイタリア映画「人生、ここにあり」(絶対お薦め)を見てきました。
イタリアでは1978年、犯罪者以外の精神病院がすべて廃止され、「自由こそ治療だ」の考えの下、精神障害者はみな地域に協同組合を作って自活する方向に動いているそうです。
映画はある集団の自立に向けたスケールの大きな挑戦と試練とを笑いと涙でたっぷり楽しませてくれます。日本映画だとどうしても肩肘張って見なけりゃならないところだけど、そこはイタリアの国民性、なんともゆかいで「人間てすばらしいなあ!」というところに引っ張っていってくれます。

知ってましたか? 年間3万人を越える自殺者を生み出す日本では、一番多い病種は精神病で患者数は70万人、総ベッド数35万床の4分の1は精神科用だそうです。患者は多量の薬を投薬され無気力状態でベッドに横になっているわけです。イタリアではそれが0です。
泣き笑いで終わった映画の最後、「これは実話だ」とあったところでどっと涙がほとばしりました。政策を推進する国の標語!が「よく見れば、みんなどこかアブノーマル」。イタリアの首相もどこかおかしい人ですが、普通であることを強調して異端を排除する日本人と比べて、何というおおらかさでしょう。イタリアが俄然好きになってしまいました。

どういうわけか障害を抱えた人たちとのつながりに深まってしまった僕ですが、彼らが成長していくにつれ、この子たちが当たり前の人間的な暮らしを送れるようにと考えざるを得ません。家族だけで支援するのではなく地域丸ごとで、行政扶助に頼りきるのではなく生活の糧を自分で得る方法や、それもできるだけ生きがいのある人生を追求できるように・・・!
イタリアはボランティアも盛んらしく長い階級闘争の歴史からうみ出された連帯の強さが未だに強固にあるようです。他所の国を羨ましがってばかりいないで、僕らの住むこの国で新しい歴史を造っていきたいなと思います。映画の原題は「やればできる」だそうです。
posted by ヨッシー at 10:01| Comment(0) | チャレンジド・アーツネット
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