2011年09月20日

怒鳴り合いもまた楽しや!

その日、稽古後の一杯を楽しもうと集まったのは10人ばかり。和気藹々と進んでいたはずの飲み会が、急に店中の客が振り向く激昂の怒鳴り合いへと変化したのは何が切っ掛けだったのか。
大爆笑劇「それからのブンとフン」と謳った今回の芝居、笑いを産み出すことがこんなにも大変なのかと気づきだしたみんなにも日々に重圧がかかりだした。その割には出席率が悪く代役を立てての稽古は何かと進行が悪い。もちろん意気盛んな俳優も多いのだが、中には未だに意気あがらぬ俳優や掛け持ちの舞台に翻弄されている役者も多い。
それぞれの事情を抱えての参加出演だから、それはまたアマチュア芸術活動の宿命だから、一方的に強くは意見できぬ事態とは認めつつ、やはり物をつくる以上は徹底して稽古に向き合いたい。
そんなこんなが混ざり合って、しばしの感情爆発となった次第である。終わってみれば、その楽しかったこと! 久し振りの快感だった。
若い頃はいつもそうだった。喧嘩してるのか芝居してるのかわからない状態が繰り返された。それが自己満足だったにせよ、芝居への情熱はやはり楽しいものだった。
老化度中程度となり、仕事や家庭や事情優先の市民芸術活動に携わるようになるにつれて、その爆発が遠のいていく寂しさは確かにある。もちろんそれを超えた楽しさもあるから継続できているのだが。
とまれ、現場を仕切るのは演出者たる私だ。私が妥協していたのではみんなの貴重な時間を無駄にするばかりだ。事情は事情、しかし稽古場に集まった時間だけは最高に燃える時間を共有したい。それなくしてアマチュア芸術の意義はない。
しばしの興奮の後に、改めてブンドシいやフンドシの紐を締めなおす気分になった。芝居は楽しい。
posted by ヨッシー at 22:55| Comment(1) | 井上ひさし顕彰市民公演
この記事へのコメント
ヨッシーさん 熱いですねぇ!!
いいなぁ その熱さ!

仲間と酒を飲み、熱く教育論を戦わしながら、結末はいつも、ちゃぶ台をひっくり返す勢いの怒鳴り合い…
ヨッシーさんのブログを読んでいたら、何故か教師現役の頃の父の姿を思いおこしました。

今は、なかなかこんな熱い風景を見かけませんねぇ
自分も含め…
生きてるぞ〜って実感したい!

何十人もの個性あふれる子供たちの前で、私もまた熱く教師という役を演じていきます。苦しみと喜びを交互に感じながら…

的外れなコメントすみません。
ハートいただきました。ありがとうございました。
Posted by 紀子 at 2011年09月21日 20:39
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