残り1月となった「それからのブンとフン」の稽古、快感と不安の中で進行しています。
井上ひさし41歳の時の初期的作品、戯曲はこれでもかこれでもかとばかりに過剰な台詞で埋まっています。それに対処するために必要な課題は速いテンポと明確なカツゼツとメリハリの利いた強調点そして絶大なエネルギー。通し稽古を終えた俳優たちはみなヘトヘトになっています。
そして、必死に追いつつも慣れてしまった場面の展開に稽古場では笑い声一つ起きない。「これでいいのだろうか?」という不安。そんな時たまに見学に来てくれる第三者が笑い転げて「面白い!」といってくれると一気に快感に転じる。
毎週土日と火・水曜日夜間の稽古、間違いなく稽古は深まっていくが、なかなか全員揃った稽古にならず、最後の詰めが出来ない。間に合うだろうかという不安・・・
広告が集まらない、チケットが売れているのかどうかわからない、ひょっとしたら莫大な赤字を背負い込むのではないかという不安・・・
暑さと寒さを繰り返す妙な気候で風邪が流行りだしてる様子、思い切ってシングル配役に挑戦した今回の公演では誰か一人でも欠場すれば公演中止の危険性も生まれる・・・何という不安。
土日も仕事に追われてる人たち、稽古場の外で携帯にかじりついて打ち合わせに追われる人たち、家族の不満を投げ捨てて通って来る人たち、たまにはのんびり休日を楽しみたいだろうに、「ただ芝居が好きだから」さまざまな犠牲に悩みながら稽古に励む市民俳優たち・・・何という快感。
稽古後の飲み会でワイワイ騒ぎ立てる快感、翌日にはぐったりしてしまう老いへの不安・・・快感と不安が入り混じる毎日です。
皆さん、ぜひ観に来てください。
2011年11月04日
快感と不安
posted by ヨッシー at 07:00| Comment(2)
| 井上ひさし顕彰市民公演
稽古もいよいよ大詰めですね。
私はといえば、こうしてヨッシーさんのブログに一喜一憂し、コメントすることしかできませんが、チケットは購入させていただきました。
時には、熱く語り、時には怒り、時にはぼやき、そして時にはちょっと弱気になり…
そんな人間味溢れるヨッシーさんのブログが大好物になってしまいました。(失礼な言い方でしたらお許しくださいませ。)
劇を観賞させていただくことが私にできる唯一の参加です。
茨城の地から、応援しています。
皆様が、ご健勝で、その日を迎えられますように。
はるばる見に来ていただけるなんて嬉しいです。
会場で、ぜひ声をかけてください。