2011年11月20日

俳優ヨッシー

今週は連日の大道具つくりに追われています。
先日日曜日の「それからのブンとフン」の通し稽古、主役の俳優が仕事で欠席したため、演出の僕が突如代役を勤めました。
もちろん、あの膨大な量の台詞のほんの一部も記憶できていないために、台本片手の代役です。やってみて・・・
面白かった!
たまに、素人俳優の前でちょっとした演技の模範を試みることはあるのですが、通した稽古に挑戦するのは全くの初めて。問題は見ていた俳優たちがなにを感じ取ってくれたかです。
「台詞の強調をどうするかがわかった」「演者の個性が大事だとわかった」「あんなにいろいろ思いついてるなら、主役のSさんに教えてあげればいいのに」・・・など、ちょっとした感想も耳に入りました。
僕が感じたことは心を解放することの大切さです。まず俳優は膨大な量の台詞を記憶せねばなりません。それも身体にしみこませるように完全に記憶しなければ、心は自由になりません。演劇とはそういう時間が必要なため、稽古にものすごい時間を費やすしかなく、まったく非効率な世界です。
僕は台本を手にしていたため、何も準備していなくても相手の台詞を感じることができ、相手の台詞から湧き起こった自分の感情を相手に返すことで、「その場をフンという人間として生きる」ことことが(少なくともある瞬間)できたのです。舞台上でのコミュニケーションを楽しめた(これが俳優の仕事です)ということでしょう。
多くの俳優は、まだまだ自分だけの世界を全うすることに必死という状態で稽古に向っています。心が相手や自分が演じる役の人物に十分に向けられていないのです。
俳優という仕事の大変さを身をもって感じ取ることができました。演出としても大きな経験でした。
23日(祝)は、主役がNGですので、また僕が演じることになりそうです。ぼくの役者振りを見たい方はぜひ稽古場にお越しください。二度と見られないチャンスです。今度はもう少し工夫を凝らしてみよう・・・・病み付きになりそう!

posted by ヨッシー at 17:46| Comment(1) | 井上ひさし顕彰市民公演
この記事へのコメント
お疲れ様です。
今頃心を解き放った俳優ヨッシーさんが、舞台上で大暴れされていることでしょう。
できることなら、拝見したかったです。
でも、フン先生役は、あまりにもセリフが膨大で、主役であるにもかかわらず、敬遠されがちな役だったとか…
そんな難役を射止めた、Sさんの演技を楽しみにしているので、観客としては、俳優ヨッシーさんは、観ないほうがいいかもしれませんね…

私、昔話の読み聞かせが好きなんですが、子供達の前で大袈裟にこれでもか!!って演じて(声だけですが)、大ウケした時の、爽快感!まさに病みつきです。
時々無性に読み聞かせがしたくなるんです。
大分スケールの小さい話ですが…

また、おしゃべりし過ぎてしまいました。m(__)m
皆さんにとって佳日でありますように。


Posted by 紀子 at 2011年11月23日 12:08
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