2012年06月18日

言葉を明確にするということは・・・

17日は、全員揃って狐の嫁入り行列の振付稽古。
この場面で必要なのは完璧な様式美。地を這うような死の世界が押し寄せ広がって、玄さんと赤い着物の少女を包み込みます。狐の集団とは現世を超えた霊的世界のエネルギーそのものです。出演者全員が呼吸を同じくするほどの迫力をみなぎらせねばなりません。何度も何度も稽古します。
配役決定も最終段階に入りました。
オーディションを重ねていて、歌唱指導でも演技指導でも強調されるのが「口をはっきり開けて、明確な発音を意識すること」。子どもばかりでなく大人も、モゴモゴと口内にこもった発声が多すぎます。唇の動きが乏しくて顔全体の表情が曖昧になってしまっているのです。
言霊(ことだま)という言葉があるように、人が発する言葉はその人の人間性そのものを表しています。本音を語った言葉は聴くものを感動させます。明瞭な言葉はその人の明瞭な生き方に通じます。権利や自己を主張する者はそれに見合う力強い言葉を持たねばなりません。自分の思いをぶちまけ、時には人とぶつかり合うことを恐れずに来た人間の言葉にはそれなりの力がこもっているはずです。
今の子どもたちは顎が細くなっています。硬い物をかじることがなくなり筋肉がついていません。大声で叫んだり訴えたりする環境がなくなって唇の筋肉も弱いのです。当然声は口内にこもります。そしてそこから漏れる言葉には、思いをまっとうに周囲に届けるだけの力を持てなくなってしまいます。
稽古場だけでなく日常の暮らしの中で、「言葉を明確にしゃべる」習慣を身につけましょう。それは即ち、自信を持って堂々と自分の人生を生きる生き方へと変えていくことになるでしょう。


posted by ヨッシー at 15:18| Comment(0) | 第6回市民ミュージカル
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