2012年10月09日

下北半島ロケハン

シニア劇団「波瀾ばんばん座」の皆さんと下北半島へ二泊三日の旅をしました。
今稽古中の水上勉・作「飢餓海峡」のロケハンの旅です。総勢8人。5時間の列車を乗り継いで、気づけば本州最北端の自然豊かな地をたった一輌の列車は走っています。むつ市で大型レンタカーを借りて戯曲に登場する下北半島の各地を巡ります。まずは恐山境内の温泉を始めあちこちの温泉場を巡り、海の幸を満喫し、馬鹿を言い合う7人を乗せてぼくは運転手役。結局和気藹々の観光旅行となりましたが、疲れとともにいっぱいのリフレッシュを堪能してきました。
絶好の日和に恵まれた三日間でしたが、いつもは10月にはもう雪がちらつくというこの地域、一体何を生活の糧にしているのだろうといういぶかる過疎地の光景でしたが、小さな街には大きなホテルが林立し、ビックリするほどの飲み屋の数。道路は整備されていて、生マグロで有名な大間岬(3900円のマグロ丼特上の何というおいしさ!)を越えたところでその正体がわかりました。大間原発の工事中でした。下北のあちらこちらに原発関係の施設が散らばっているのです。
旅人を迎える地元の人たちはみな親切で、こちらの希望を聞いて気安く方言をまくし立ててくれます。その一方では、原発に頼らざるを得ない過疎の現実があります。彼らは原発の話などしません。それなくして成り立たない生活がしっかりと築かれてしまっているのでしょう。
尻屋岬の寒立馬は今やたった36頭、観光馬となってしまっています。お腹を大きくした1頭が道路の真ん中に立って、観光客に撫でられようが写真を撮られようが、海に向かって瞑想して動きません。そのようにして生きるしかないと言ってる気がしました。
posted by ヨッシー at 10:20| Comment(0) | 波瀾ばんばん座
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