5月連休の数日、郷里の母に会ってきました。
百歳五ヵ月の母は、ひとり暮らしをしていた1年半前にこけて骨折して入院して以来、もう実家には戻れず病院と療養所生活、人生をあきらめたような寂しげな表情が目立ってボケも徐々に進行していきました。シニア劇団公演「飢餓海峡」の本番前に体調が悪化したと連絡を受けて見舞いに行ったわけです。年の割には地の力が強くどうにか危機を乗り越えて安堵しましたが、こうやって幾たびか危機を繰り返して命を終えていくのでしょう。時々反応してくれるのが嬉しく、母の顔中いっぱいのキスをしてしまいました。
誰もいない実家には大きな仏壇があります。その前に座って93歳で逝った父に母の様態を報告していると突然激しく泣けてきました。涙ばかりでなくよだれまで流れ出る様に自分自身の老状を見ていっそう悲しくなるばかり・・・こういう時、人生無常、色即是空空即是色、生まれた一つの命が一つの命を生み自らは消えていく、人間の本質もまた然り、それ以上の何を得ようというのか・・・といった仏教的諦念観に包まれてしまいます。
そして自然に「ありがとう」と何度も何度も仏前で呟いていました。僕という命を生んでくれた父母への素直な感謝の言葉が「ありがとう」という言葉であったことに安堵しました。自分を素直に肯定できる今を嬉しく思えたのです。
6日、「ドングリコッコとコッココッコの冒険」の稽古が始まりました。小さな子どもたちと一緒に、生まれてきた喜びを噛みしめられるようなひと時を存分に楽しみたいと思います。
2013年05月08日
私事で恐縮ですが・・・
posted by ヨッシー at 11:02| Comment(0)
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