2013年03月11日

チャレンジドミュージカル「大好き!」 満員御礼!

「NA PENDA SANA〜大好き!〜」公演が終了しました。
 不安だったお客の入りも上々、反響も上々、舞台の出来も上々(と言っておこう)・・・まずは、いつもどおりのほっとした気分で終えることが出来ました。ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。
 過去7年を振り返り「チャレンジドミュージカルとは何か?」を検証する公演となりましたが、何より舞台には成長した子どもや青年たちの生きいきとした姿がありました。歌った歌詞ではありませんが♪客席の片隅で泣いていた親族たちもきっと実感したことでしょう。一次打ち上げで見事に司会を進行する斉藤ケンちゃんには笑わされましたが、8年の経験が見事に成長を支えているのだと嬉しくなりました。
 市民ミュージカルでもそうですが、こうした市民活動では、参加するスタッフ(プロとアマを問わず)の誰もが思い切り仕事を楽しんでくれていることが特徴です。ほんとにそれはすがすがしい協働の姿です。「仕事とは何か?」を考える絶好の機会となっているからでしょう。
 次回第9回公演は「WEWE NA MIMI〜あなたと私〜」、題名と会場日時だけは決まっていますが、最初の段階から演出・振付・作曲の協働創作を深めようと思っています。今回の成果に安住することなく「チャレンジドミュージカルとは何か?」というテーマをいっそう深く追求しようと思います。
 昨日の午後の空はスゴイ土煙、だれもが迷惑なPM2,5や黄砂を連想しましたが、真実は日本の土埃だったらしい。偏見が如何に人間の目をくらませるかを体験できました。
posted by ヨッシー at 11:05| Comment(0) | 第8回チャレンジドM

2013年02月25日

本番まで2週間!

 チャレンジド・ミュージカル8「大好き!」も、残り稽古3日。本番まで2週間に迫った。
 昨24日は最後の台詞重視の抜き稽古。子どもたちがストーリーの流れをどこまで理解し、一つひとつの場面でどのように心境を変化させているか不安だ。「そこまで理解できない子がいる」のかもしれないが、「そこをつかまないとドラマにならない」のも舞台表現の真実だ。理解の仕方はさまざまであろうが、何とか理解してもらいたい。だからこその工夫がまだ見つかっていない。

 今回の舞台のできはいいと思う。緊張感がありエネルギッシュな興奮も得られている。チャレンジド・ミュージカルの一つの到達点であるとは思うが、「これでいいのだろうか?」、「ただの押し付けではないか?」、「障害のある子どもたちの表現とは何か?」、「上手下手、歌える歌えない、踊れる踊れない、を超えた彼ら独自の感性が跳躍するような表現方法があるのではないか?」・・・そんなことを切実に自問自答している毎日だ。どこかで大胆に発想の転換が必要だと実感している。

 観客の数が伸びていない。どんなにいい舞台、意義ある事業でも観客が減ってくればつぶれてしまう。そして命にはすべて寿命がある。昨日稽古場で、ある子が「いつまでつづけてくれますか?10年ですか?20年ですか?」と聞いてきた。「ずっと、いつまでも続けるよ」と答えると、パッと表情が輝いた。その輝きが半分まぶしかった。
 皆さん、ぜひ観に来てください。本物の表現を発見するためにも、まだまだ模索が必要です。そして皆さんの支援が必要なのです。
posted by ヨッシー at 10:03| Comment(0) | 第8回チャレンジドM

2013年02月19日

「大好き!」 公開稽古

 チャレンジド・ミュージカル「大好き!」の稽古も残り3回。
 17日には「公開通し稽古」を行いました。
 どうも進行が遅れていくな?と不安だった稽古もこのところようやく盛り返して、後の努力次第では「とんでもない!」迫力ある舞台が生まれそうです。「人生は不公平!」というシーンで子どもと青年は美女役とブス役、イケメン役とブサメン役に別れます。配役した当初は「エエーッ!イヤダア!」と総反発が起きたものですが、今ではすっかりその役になりきって、「やってらんないわあ!」と怒りのエネルギーを爆発しています。
 音楽がいいですね。佐治さんが注文に答えてニューヨークの雰囲気を良く伝えています。何せアポロシアターに乗り込むのだから(台本上だけの話ですが)、向こうの連中にもアッと驚かせてやらなくちゃね。
 今回は一人ひとりの活躍の場を保証することと台詞への挑戦という二つの課題を意識しました。口を大きく開いて明確な声を大きく出せるには筋肉を鍛えるしかありません。これがなかなか難しい。でも努力次第では改善することができます。はっきりとした言葉ははっきりとした自己主張を支えます。舞台表現を通して築かれた努力は普段の生活にも反映されます。だれもが生きいきと自分の存在を輝かせて欲しい、そう願って、残りの稽古で仕上げていきます。
posted by ヨッシー at 08:38| Comment(0) | 第8回チャレンジドM

2012年11月13日

ボロボロ ボレロ

 4日から始まったチャレンジド・ミュージカルの稽古は、いつもよりハイテンションで展開してるみたい。終わると全員が汗だく、ガックリと疲れて、そしてとてもいい気持ち。
 今回は「実験」にこだわっていこうと思う。そこから宝物を発見したい。
 実験1 言葉への挑戦! みんなで外郎売をやってみた。お芝居のカツゼツ訓練に使用される長い台詞まわし。障害のある人は大体みなカツゼツが弱い。口蓋に力がない。自己主張になれていないから言葉が内にこもる。まず、大きな声で、はっきりとした言葉で、早口言葉を言ってみる。ゆっくり始めてどんどん早くする。ロックの音楽に乗せる。手拍子が生まれ、ラップに変化する。ラッパーが次々交替してマイクを握る。テンション高くエネルギーが爆発する。イエーイッ! 最高!
 実験2 ボレロに挑戦! ラベル作曲・ベジャール振付。ご存知だろうか? 静かに始まる旋律が段々段々クレッシェンドしていく。振付はいたって簡単。それが音楽の高まりとともにどんどん恍惚に状態になっていって、最後に爆発! それを真似た。まずまあちゃんが一人で踊り始め、第1グループが加わる。そして第2、第3と加わっていく。
 彼らはやはり運動能力が開発されていないから足腰が弱い。ダンスではどうしても下半身が追いつかない。そんなことを無視して曲とぶつけてみる。みんな楽しそうに踊っている。ところが曲は15分以上もあることを忘れていた。振りが一巡りしても二廻りしてもまだ終わらない。「もう一回!」。まだ終わらない。「もう一回!」。まだ終わらない。みんなヘトヘトになる。もういやになる。やけになる。まだ終わらない。もううんざりといった段階になってから、意外や意外、やけっぱちのエネルギーがほとばしる。ウヲーッ! 叫びが起きる。まだ終わらない。ウヲーッ! そしてジ・エンド! どっと倒れこむ。イエーイッ! 最高!
 見た目はボロボロだけど、その本質は宝石の輝きだった。ベジャールの狙いはこういうものだったに違いない。今回はこういう実験と挑戦にこだわりたい。
posted by ヨッシー at 09:21| Comment(1) | 第8回チャレンジドM

2012年05月07日

誰もがやはりゴールデンウィーク

長いゴールデンウィークも終わりました。
やたら交通事故があったりしたけど、世間はやはりみんながお休み、どこかのんびりした気分が広がっていましたね。
我が家では朝から鶯の鳴き声とまるでわからない外国語が聞こえています。教師を退職した女房がトルコ語を学び始めているのです。「昨日覚えた単語が今日はすっかり忘れている」と文句いいつつ、次々と新しい興味と関心へと突っ走っていく姿勢はすてきです。
僕も負けじとさまざまな雑用を片付けていくのですが、肝心の創作では、次回のチャレンジド・ミュージカルの台本「大好き!」がなかなか進まない。全く困ったものです。
前回の観客アンケートに「もっと障害児らにふさわしい内容の台本を書くべきだ」という批判がありました。僕はそういう考えが大きらい。きっとその人は障害者や弱者を善意や純粋という枠の中に押し込めて安心していたいのでしょう。僕はそういう考えを差別だとすら思ってしまう人間です。障害があろうがなかろうが、過酷な現実に立ち向かう勇気と力を身につけていってもらいたい、大げさですが、舞台表現とはそうした力を身につけていく一つの手段だと僕は思っているのです。
とはいえ、彼らの今の能力のちょっと先を目指して、それに対応する面白い台本を書くというのも結構骨の折れる作業、老い行く身には新鮮な発想がわいてきてくれません。もっともっと彼らと直に交わって、その本音を探り出す努力をしなければと痛感しています。
posted by ヨッシー at 10:43| Comment(0) | 第8回チャレンジドM