2008年06月11日

無差別殺人

秋葉原で起こった無差別大量殺人事件。ショックなんてものじゃない。どこの家庭でも、出かけようとする家族に「気をつけてね」と声をかけたことでしょう。気をつけて防げる事件じゃないから無差別なんだけど。

 犯人の彼の話し相手は携帯メールの掲示板。市民ミュージカルの掲示板と違って、誰という特定の相手はいない。ナイフを買いにいった店の店員が優しくて「いい人だった」と書き込んでるけど、涙が出ちゃったね。

 ものすごく強引な我田引水だけど、彼が「市民ミュージカルに参加してたら」とすごく悔やまれます。きっと人間が変わっていったと思う。チャレンジド・ミュージカルなんかに参加してたらもっとちがう世界の新しい発見があったと思う。

 つまり、人間関係の輪が広がる、コミュニケーションの楽しさがわかるという、その楽しみの場が彼にあったらと、ものすごく悔しい思いです。

 派遣という働きの現場の悲劇が浮かんできます。クビかと思ってたら上司からの電話で「人が足りないから来い」と言われたことにも腹を立てている。「俺が必要だから」といってくれたら彼は職場に戻ったかもしれない。

 働くとか生きるとかは、そもそも孤独なものじゃない。どんな仕事でも、自分でやった仕事が人に喜んでもらえるから、社会の役に立ってると思えるから、嬉しいんだ。そういう仕事をしている現場だから周りを仲間と思えるんだ。仕事とはそういうものだろう。

 若者からそういう当たり前の喜びを奪い去ってしまうような働く現場があることに、ぼくは無性に腹が立つのです。それも残業残業で、毎夜コンビニで弁当を買って帰ってくる一人ぼっちのアパートの夜。おかしくなるのは人間だからです。何もかもうまく行かない不満と絶望をドンドン一人ぼっちの心に溜め込んで鬱々としたマイナスのエネルギーがギューッと凝縮して爆発させてしまった。

 彼に市民ミュージカルのような活動の場があればと、本気で悔しがってるぼくがいます。

 で、前から考えている企画がふつふつと浮かび上がってきました。「お見合いミュージカル」です。市川に住んでる孤独な青春、誰か交際相手はいないか、結婚する相手はいないか、と探してる人を対象に、堂々とミュージカルの稽古を重ねながら伴侶を探していくのです。参加資格者は年齢不問の独身者のみ。スタッフもキャストも。稽古を重ねることで、表現にこだわることで、人間が見えてきます。共感の土台が築けます。そこからカップルが生まれて子どもが誕生すれば、日本の少子化対策に貢献できます。

 面白い! (とやっぱり我田引水)

 アッ! ぼくは参加できない!
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2008年02月04日

いちぶんネットよ、どこへ行く

3日(日)は、大雪。それでも中川ひろたかと新沢としひこの「みんなこいこいコンサート」には、たくさんの方が見に来てくれました。2時間20分のコンサートは、大いに盛り上がりました。ありがとうございます。

さて、忙しくすぎてきたいちぶんネットの今年度の活動も終わりに近づいています。

このところ、いちぶんネットの活動に注目してくれる方々との交流が拡大して、協力したいという申し入れが多くなってきました。そうした方々とお話していて、浮上してくるのは、「いちぶんネットの方向性」です。いちぶんネットがどの方向に向って歩もうとしているか、また活動振りを全国発信するにしても何をどんな目的でどのように伝えていこうとするか、「大きな戦略」が見えてこないという注文です。

わが町市川を中心に、市民文化を多いに楽しみながら交流するという目的で出発したいちぶんネットですが、あまりにやることが多すぎて、作・演出・プロデュースをすべて兼任する僕もパンク状態になっています。付き合ってくれる指導者やスタッフも本来やりたい自分の仕事との兼ね合いに苦悩しています。稽古場不足は深刻です。

指導者をどんどん外部から呼び込んで、もっと分担を進める必要があります。作・演出という立場も、外部から招きたいと思っています。

他にも、市川市の少子化対策と関連付けての「お見合いミュージカル」や保育園や老人施設に出向いて表現活動を展開する事業なども、やってみればゼッタイ面白いでしょう。乳幼児と親のためのミュージカルも毎年やって欲しいという要望は強いものがあります。

そして、今年のチャレンジド・ミュージカル?で挑戦した他所の町に出向いていって公演することや海外交流なども意義深いものだと信じます。また、こうした活動を全国にどんどん発信して、行き詰った日本という国に表現活動を通した市民生活・子どもの発達を大きな気運にしていくこともやりがいのある面白い活動だと思います。

とはいえ、現状ではあまりに力量不足。もっももっと多くの人材と資金が必要です。その上、一市民団体がそんなに無理してやる必要があるのかという根本問題が横たわっています。

なんだか疲れがたまっているためか愚痴めいた展開になりましたが、いずれにせよ、「大きな戦略」を具体的につめていくことが必要になってきました。ちょうど今、障害者の芸術活動を支援する「チャレンジド・アーツ・ネット」構想の学習会を進めようとしています。それと関連付けて、外部の意欲ある人材に参加してもらって、「大きな戦略」をも討議していく戦略会議を結成していけないかなと考えています。

皆さんもぜひご協力ください。みんなで最初から議論していくことで、「大きな戦略作り」の面白さを堪能したいものです。
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2008年01月01日

私たちにやれることを精一杯

新年明けましておめでとうございます。  今年も楽しくお付き合いください。

正月休みは自宅で一人で過ごして、市民ミュージカルの台本書き直しに没頭しました。ご近所の方とも出会わず、誰とも口をきかない(犬は別ですが)生活が3日続きました。ばかばかしい笑いを強制するテレビもつけずにいると、さわやかな天候にも恵まれて、なかなか清々しいお正月になりました。

振り返れば、昨年は日本という国の大きな転換期となる年だったと感じます。このままスーッといい方向に変わるとは思えませんが、「このままではいけない」と誰もが実感した年ではなかったでしょうか。

いちぶんネットもその一員であるNPOとは、自分でできる範囲で世の中を良くしていこうと志向した団体です。私的な課題を公益的なものに昇華させる事で社会に役立てたいと願っています。世の中に役立っていないと総括したら、潔く消えていくべきですが、今のところいちぶんネットの存在は、皆さんの支援もあって、意義あるものだと感じます。今年も精一杯、できることにまい進していきます。楽しくご支援ください。

日本の大人たちの、浅い呼吸を繰り返して、体をがちがちにして思い悩んでいる姿が目立ちます。子どもたちのキョロキョロと宙をさまよう視線やしっかりと地を踏みしめない足の運びが気になります。誰もが心の底からゆったりとした大きな笑い声を上げることが少なくなってもきました。地球ばかりでなく、そこに住む人間が少しずつ生きる力を弱めていくようで気になります。

笑うことが体内の免疫力を強め、病気を克服する大きな力に成ることは実証されています。同じように、「面白い」と感じる活動は人間に生きる力を与えると信じます。 芸術の力や文化の力が人間を大きく励まし、生きる力を醸成していくことを、ぼくは信じています。

今年は市民ミュージカルの年です。これまで一緒に参加した家族が関係をより深く築き上げていく姿を見つめてきました。一人ぼっちだった青年が新しい仲間との関係で豊かな表情に変わっていく様を見てきました。面白がっている所に人は集まり、共に面白がることで人間が豊かに成長していきます。

大人が本気で生き生きと輝いている姿を見れば、子どもは未来を楽しみに生きていきます。子どもが達成感に満ちて満面に喜びの表情を浮ばせると、大人は愛を再確認できます。

そして傷ついた人には・・・人間関係に傷ついた人は人間関係の中で癒したり生き直したりするしかありません。「一緒になって、ワイワイガヤガヤ、励ましあったり、叱りあったりして、面白がった成果をたくさんの観客に見てもらって、また面白がりの輪を広げていく」、こういう関係の中で生きる力が湧き起こってくることもあるはずだと信じて、今年も楽しく精一杯活動していきましょう。

1月にはチャレンジド・ミュージカル?の本番が控えています。障害者やサポーターが見る見る豊かな表情に変化していくのを見ていると、もっともっと本格的な取り組みをしたいと欲が出ます。念願の「いちかわ市民芸術アカデミー」(名称もいろいろ試行錯誤中ですが)設立構想も固めていきたい。その超課題は「生きる力の獲得」です。

ああ、また忙しい1年になりそうです。でも面白いと思えなくなったら、無理しなくてもいいのでしょう。今年もみんなで、大いに面白がりましょう。
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2007年12月02日

市川市民の活動はすごい!

近頃、子ども劇場全国センターの企画で、市民文化コーディネーター養成講座が佐倉市、神戸市で開かれて(次は広島)、ぼくが市川市民の活動を報告してきました。

市民の自主的事業として「いちかわ市民ミュージカル」が4回目の公演準備に入ったこと→乳幼児を抱えた親からの希望にこたえて「ミニ・ミュージカル」「乳幼児と親のためのミュージカル」が生まれたこと→障害のある人と一緒になってつくる「チャレンジド・ミュージカル」が生まれたこと→劇団やダンス・合唱の市民サークルが誕生したこと、などの経緯を語り、市川以外の市民を巻き込み、ニューヨーク・シティクラウンズを招いて、福祉への文化的アプローチとして、障害者を巻き込んだ市民舞台芸術学校設立を展望していること、市民の往来する真ん中に市民文化芸術活動の殿堂があるまちづくりへの展望、海を越えた市民芸術の相互交流だって不可能ではないことなど、ホラ半分の話を語ってきました。

ハクナマタタ活動ドキュメントの製作予告のDVDを見てもらって、画面から伝わる出演者の輝く表情にも感動してもらって、「いちかわ市民の活動はすごい!」と喜んでもらってきました。

どの町でも、子どもや大人を巻き込んだ市民文化活動を生み出したいと願っています。指導者がいない、お金がない、実現しても1,2度で終わってしまう、などなど、困難な状態にあるようですが、それでも何とか市民に呼びかけて、そうした活動を生み出そうと意気に燃えています。

そして、やっと生まれた活動を、どうすればもっと広くもっと多くの市民の賛同につなげられるか、必死に模索しています。私たちと同じ課題を模索しているのだと実感してきました。

いつか、全国各地の創造した作品を見合ったり、お互いの活動を語り合ったりするフェスティバルのようなものが生まれると面白いだろうなと、また夢想しながら帰ってきました。
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2007年11月01日

ハーレムか大奥か・・・

昨夜、チャレンジド・ミュージカルの上演委員会がありました。

会議でも、その後の飲み屋でも、女性の方々の声高い論議が続きます。男は私一人。以前、ある店の人が「吉原さんも大変ねえ」としみじみ言うので「どうして?」と聞くと、「女の人が大声で勝手ばかり言ってる。あんなの纏めていかなきゃなんないのは大変でしょう」と慰めてくれたものだ。

会議では、私としてはやはり、てきぱきと決めて進行していきたい。1時間で済むものならそうしたい。でも近頃は議事進行もなるべく他の人に任せるようにしていると、女性中心の世界は脱線が多くなる。隣同士のやり取りが起こって、収拾がつかなくなる。事務的な仕事でも、一人でやった方がよっぽど早く済むと思うことが多い。

「だから女どもは・・・」とため息も出るのだが、一方で男中心の会議のつまらなさも十分経験しているので、まあ仕方ない。

それ以上に、女どもの、否、女性の方々のエネルギーには感服することばかり。誰を巻き込んで、誰と組み合わせて、こうすればもっと面白くなるから・・・ etc。飲みながら食べながら、笑いながら喚き合いながら、隣席の男集団に怪訝な目で睨まれながら、工夫談義に秋の夜は更けていきます。

ハーレムか大奥か・・・あらぬ妄想に一人ふけっていると、「ヨッシー、話は決まったからね」と言われて目が覚める。何が決まったのかとんと理解できないけれど、このエネルギーが社会を動かしていくのだ。頼もしい方々に囲まれて、私は幸せです。
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2007年10月01日

皆様、こんにちは!

いちぶんネット代表理事の吉原廣です。

コーナーをいただきましたので、今後何日おきかに皆様への報告を書き込んでいきたいと思います。よろしくお願いします。

いちぶんネットの設立は2002年11月。翌年8月に正式に発足しました。以来、かれこれ5,6年。良く続いたものだと思います。

近頃は、更年期障害が著しく、酒にも・・にも弱くなる一方で、何かにつけて切れやすく、中年クライシスの典型的な症例を呈している有様です。とはいえ、「面白いことだけをやっていこう!」という意気込みでいろんなことに手を広げていくと、面白がる市民はいるもので、いろんな人が集まってきて、いつもワイワイにぎやかに活動が展開されていきます。そうした市民に支えられて、少しは若さを保っていられるのでしょう。仲間と支援者に感謝しています。

環境Gメンとして活躍した故田丸さん(だったっけ?)は、「政策に反映されないあらゆる社会活動は自己満足に過ぎない」といったそうですが、納得です。「いちぶんネットなんて、遊んでばかりじゃないの!」と言われそうですが、「遊びにこだわって、社会を変えていきたい」のは本音です。

個人を大切にしない日本社会と権利意識に弱い日本人に、“遊び”を通してもの申していきたいと思います。

私の職業は「市民文化プロデューサー」。勝手にでっち上げた肩書きも、実態が見えてくれば一人歩きするでしょう。
今後ともよろしくお願いします。

いちかわ市民文化ネットワーク 代表理事 ヨッシーこと吉原廣
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